2020(令和2)年は、21世紀の歴史を考えるうえで極めて重要な一年です。
最大の出来事はもちろん、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行でした。WHOは2020年3月にパンデミックを宣言し、都市封鎖、移動制限、学校休校、イベント中止、在宅勤務、オンライン教育など、それまでの社会では考えられなかった変化が一気に広がりました。世界経済も大きく落ち込み、国際貿易、観光、飲食、航空、スポーツ、文化産業などが大きな打撃を受けました。
しかし、2020年をコロナだけで理解するのも十分ではありません。米国大統領選挙、英国のEU離脱、米中対立、香港国家安全維持法、ベイルート港爆発、ジョージ・フロイド氏の死亡を契機とするBlack Lives Matter運動、気候災害、宇宙開発、mRNAワクチン、デジタル化など、現在の世界につながる出来事が同時に起こっています。
日本でも、東京オリンピック・パラリンピックの延期、安倍晋三首相の退陣と菅義偉政権の発足、Go To トラベル、学校の一斉休校、オンライン化、行政のデジタル化など、大きな転換が重なりました。
以下では、2020年を分野別に整理します。
1.社会――「普通の生活」が一変した
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行
2020年を象徴する最大の出来事はCOVID-19です。
日本では1月16日に国内初の感染者が確認され、2月には国内初の死者が確認されました。その後、感染は全国へ拡大し、4月には政府が緊急事態宣言を発出しました。
それまで当たり前だった、学校へ行く、会社へ通勤する、飲食店で食事する、旅行する、イベントに参加する、家族や友人と集まるという行動が制限されました。
つまり2020年は、単なる「感染症の年」ではありません。
人間がどのように集まり、働き、学び、消費し、他者と関係を結ぶのかという社会生活の基本構造が揺さぶられた年でした。
マスク社会の誕生
マスクは医療従事者など一部の人が使用するものから、社会生活における日常用品へと変化しました。
店舗への入店、公共交通機関、学校、職場など、さまざまな場面でマスク着用が求められるようになり、感染症対策が社会的なマナーとして定着しました。
これは2020年に生まれた重要な社会文化の一つです。
ソーシャルディスタンス
「密閉・密集・密接」という「3密」の回避が広く知られるようになりました。
飲食店では座席間隔を空け、イベントでは入場者数を制限し、企業では会議室に人を集めない方法が模索されました。
社会は「人と人が近づくこと」を無条件に良いものと考えるのではなく、感染リスクという新しい社会的コストを意識するようになりました。
2.政治――安倍政権から菅政権へ
安倍晋三首相の退陣
2020年8月、安倍晋三首相は持病の再発を理由として辞任する意向を表明しました。
安倍政権は2012年12月から約7年8カ月にわたり続いており、戦後日本では非常に長期にわたる政権でした。
2020年は、その安倍政権が終了する年となりました。
菅義偉政権の発足
自民党総裁選を経て、2020年9月16日に菅義偉氏が第99代内閣総理大臣に就任しました。
菅政権は、安倍政権の政策を引き継ぎながら、行政改革、デジタル化、携帯電話料金引き下げ、不妊治療支援などを政策課題として掲げました。
特に重要なのが、後にデジタル庁創設につながる行政のデジタル化です。
2020年のコロナ対応では、給付金の支給や行政手続きなどにおけるデジタル化の遅れが社会的に強く意識されることになりました。
3.政治――米国大統領選挙
バイデン氏が大統領選挙で勝利
2020年11月、米国では大統領選挙が行われ、民主党のジョー・バイデン氏が勝利しました。
ドナルド・トランプ大統領は選挙結果をめぐって不正があったと主張し、選挙後も政治的対立が続きました。
2020年の米国政治は、単なる大統領交代ではありませんでした。
政治的分断、SNS、フェイクニュース、選挙制度、民主主義の信頼性など、現代社会が抱える問題が一気に表面化した選挙でした。
4.スポーツ――東京オリンピックが延期された
東京2020大会の延期
2020年最大のスポーツニュースは、東京オリンピック・パラリンピックの延期です。
東京大会は2020年7月から開催される予定でしたが、COVID-19の世界的拡大を受け、2021年への延期が決定しました。オリンピックの延期は近代オリンピック史上初めてのことでした。
「2020」という大会名称を維持したまま、実際には2021年に開催されるという極めて異例の大会になりました。
スポーツそのものが止まった
プロ野球、サッカー、バスケットボール、テニス、ゴルフなど、多くの競技が延期・中止・無観客開催となりました。
スポーツは競技者だけでは成立しません。
スタジアム、観客、テレビ放送、スポンサー、旅行、宿泊、飲食など、多くの産業が結びついています。
2020年は、スポーツが巨大なサービス産業であることを改めて浮き彫りにしました。
大坂なおみと社会問題
2020年の全米オープンでは大坂なおみ選手が優勝しました。
大会期間中、大坂選手は人種差別問題への抗議を示す行動を取り、スポーツ選手が社会的・政治的問題について発言することの意味が世界的に注目されました。
5.経済――世界経済が急停止した
世界的な景気後退
COVID-19によって、世界各国で経済活動が急激に縮小しました。
国境を越えた移動が制限され、工場が停止し、店舗が閉鎖され、航空便が減少しました。
IMFは2020年の世界経済について、世界恐慌以来の深刻な景気後退となるとの見通しを示しました。
特徴的なのは、通常の不況とは違って、需要と供給が同時に打撃を受けたことです。
消費者は外出できず、企業は営業できず、物流も混乱しました。
原油価格の急落
2020年には原油価格も大きく下落しました。
移動や航空需要が急減し、エネルギー需要が落ち込んだからです。
一方で産油国にとっては財政収入が減少するため、単なる「ガソリンが安くなった」という問題ではありませんでした。
エネルギー産業、資源国経済、金融市場まで影響が波及しました。
6.ビジネス――「会社に行く」が崩れた
テレワークの急拡大
2020年には在宅勤務が急速に普及しました。
Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどのオンライン会議サービスが一般企業にも広がり、会議、営業、採用、研修などがオンライン化されました。
これは単なる勤務場所の変更ではありません。
企業経営そのものが、
「人を同じ場所に集めて仕事をする」
というモデルから、
「ネットワーク上で人をつないで仕事をする」
モデルへ移行するきっかけになりました。
DXが経営課題になった
コロナ禍によって、デジタル化している企業とそうでない企業の差が明確になりました。
紙の書類、押印、対面会議、現金決済など、従来は当たり前だった業務が、感染症流行時には企業活動の障害になることが明らかになったからです。
2020年は日本企業にとって、DXが「IT部門の課題」から「経営課題」へ変わった年でもあります。
7.文化――「リアル文化」が停止した
映画館、劇場、ライブが大打撃
映画館、劇場、コンサート、演劇、美術館、博物館など、人が集まる文化施設は大きな影響を受けました。
イベントそのものが中止される一方、ライブ配信やオンライン展示など、新しい文化サービスが急速に発達しました。
文化産業も、
リアル空間+デジタル空間
という二重構造へ向かい始めます。
8.芸能――オンライン配信時代の加速
芸能活動のオンライン化
コンサートや舞台が開催できなくなったため、芸能人やアーティストはYouTube、動画配信、SNS、オンラインライブなどを積極的に活用するようになりました。
テレビ局も感染対策のため、スタジオ収録やロケの方法を大きく変えました。
これによって、芸能人がテレビ局を介さずにファンへ直接情報やコンテンツを届ける「直接接続型」の芸能ビジネスが強まりました。
「鬼滅の刃」が社会現象に
2020年には『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開され、大きな社会現象となりました。
コロナ禍によって映画産業が大きな打撃を受ける中で、同作品は映画館に観客を呼び戻す象徴的な作品となりました。
9.科学技術――mRNAワクチンの革命
mRNAワクチンの実用化
2020年の科学技術史で特に重要なのが、mRNAワクチンの実用化です。
ファイザー/BioNTechとモデルナが開発したmRNAワクチンは、従来とは異なる方法で人体の免疫反応を誘導します。
2020年末には英国などで接種が始まり、2021年の世界的なワクチン接種につながりました。
この技術はCOVID-19だけでなく、将来的ながんワクチンなどへの応用可能性も注目されるようになりました。
10.科学技術――宇宙開発が民間企業の時代へ
SpaceXが有人宇宙飛行に成功
2020年5月、SpaceXの「Crew Dragon」がNASA宇宙飛行士を乗せて国際宇宙ステーションへ向かいました。
民間企業が開発した宇宙船による有人飛行という意味で、宇宙開発史の大きな転換点でした。
宇宙開発は「国家が行うもの」から、
国家+民間企業による産業
へと変化し始めました。
11.科学技術――はやぶさ2が小惑星試料を持ち帰る
「はやぶさ2」の帰還
2020年12月、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウの試料を地球へ持ち帰りました。
これは日本の宇宙科学を象徴する成果でした。
小惑星の物質を直接地球へ持ち帰ることで、太陽系形成や生命の起源に関する研究が進展することが期待されました。
12.産業技術――半導体とデジタル産業の重要性
半導体産業の戦略的重要性
2020年には、半導体が単なる電子部品ではなく、国家産業政策上の重要物資として認識され始めました。
スマートフォン、PC、サーバー、自動車、通信設備、AIなど、ほぼすべての産業が半導体を必要とします。
さらにコロナ禍によってデジタル需要が急増したことで、半導体産業の重要性がさらに高まりました。
後の米中半導体戦争、日本の半導体産業政策、TSMC熊本工場などにつながる流れを考えるうえでも、2020年は重要です。
13.国際社会――米中対立が深まった
米国と中国の対立
2020年には米中対立がさらに激しくなりました。
貿易だけでなく、5G、Huawei、TikTok、半導体、香港、台湾、人権問題など、対立領域が広がりました。
これによって世界経済は、
「グローバル化すれば効率が高まる」
という考え方だけでは説明できなくなりました。
企業は「どこから部品を調達するか」「どの国で生産するか」「どの国の技術を使うか」を、安全保障まで考えて決定する必要が出てきました。
14.国際社会――香港国家安全維持法
香港の政治環境が大きく変化
2020年6月、中国で香港国家安全維持法が制定されました。
香港における国家安全に関する犯罪を規定する法律であり、香港の政治・社会環境に大きな影響を与えました。
香港をめぐる問題は、中国と欧米諸国との外交関係にも影響しました。
15.軍事――イランと米国の緊張
ソレイマニ司令官殺害
2020年1月、米軍による空爆によってイラン革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ部隊」を率いていたカセム・ソレイマニ司令官が殺害されました。
これを受け、イランは報復攻撃を行いました。
さらに同月、イラン軍が誤ってウクライナ国際航空機を撃墜し、176人が死亡しました。(euronews)
中東における米国とイランの対立が極めて危険な水準まで高まったことを示す出来事でした。
16.外交――英国がEUを離脱
Brexitの実現
2020年1月31日、英国がEUを正式に離脱しました。
2016年の国民投票から約4年を経て、Brexitが実現したことになります。
EU離脱は英国だけの問題ではありません。
人、モノ、資本、サービスが国境を越えて移動する「地域統合」という考え方そのものに対する大きな問題提起でした。
17.外交――中東でイスラエルとの国交正常化
UAE・バーレーンなどがイスラエルと関係正常化
2020年には、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンなどがイスラエルとの外交関係正常化に動きました。
これは中東の外交構造に変化をもたらす重要な出来事でした。2020年の国際情勢を整理した資料でも、イスラエルと複数のアラブ諸国の外交関係樹立が重要事項として挙げられています。
18.外交――日米関係と日中関係
安全保障環境の変化
2020年の日本外交では、米国、中国、韓国、北朝鮮との関係が重要なテーマとなりました。
特に中国の軍事力増強や東シナ海・南シナ海情勢、香港問題などを背景として、日本の安全保障政策も大きな転換点に差しかかっていました。
19.皇室――令和の皇室が本格始動
令和時代の皇室
2019年5月に令和が始まり、2020年は令和の皇室が本格的に活動する最初の年となりました。
しかしコロナ禍によって、皇室行事や地方訪問なども大きく制限されました。
皇室もまた、社会全体と同じく「人が集まることの制限」という問題に直面しました。
20.教育――全国一斉休校
学校が止まった
2020年3月、日本政府は新型コロナウイルス感染症対策として全国の小中高校などに臨時休校を要請しました。
これは日本の教育史において非常に大きな出来事です。
学校は単なる「勉強する場所」ではありません。
給食、友人との交流、生活リズム、運動、家庭への支援など、子どもの生活全体を支える社会インフラです。
休校によって、学校の持つ社会的機能が改めて認識されました。
21.教育――オンライン授業の急拡大
教育DXの必要性が明確になった
休校によって、オンライン授業が急速に注目されました。
しかし日本では、家庭の通信環境、端末、教師のICTスキル、教材などの問題が明らかになりました。
これが後のGIGAスクール構想の本格的な推進につながります。
2020年は、日本の教育がデジタル化するうえで大きな転換点となりました。
22.サービス――飲食店のビジネスモデルが変化
テイクアウト・デリバリー
飲食店では店内飲食が制限される一方、テイクアウトや宅配が急速に普及しました。
Uber Eatsなどのフードデリバリーサービスも急速に利用者を増やしました。
飲食業は、
「店舗に来てもらうビジネス」
から、
「料理を顧客のところへ届けるビジネス」
へと一部が転換しました。
23.サービス――キャッシュレス決済
非接触決済の普及
感染症対策の観点からも、現金を介さないキャッシュレス決済が注目されました。
クレジットカード、交通系IC、QRコード決済などが日常生活に浸透しました。
これは2020年のサービス産業における重要な変化です。
24.福祉――介護施設が感染症対策の最前線になった
高齢者施設への感染拡大
高齢者はCOVID-19による重症化リスクが比較的高かったため、介護施設や高齢者施設では厳格な感染対策が必要となりました。
しかし面会を制限すれば、家族との交流が減少します。
ここには、
感染を防ぐことと、人間らしい生活を守ることの衝突
という介護・福祉特有の問題がありました。
2020年は、介護を単なる「身体介助」ではなく、感染症、心理、家族、生活、看取りまで含めた総合的なケアとして考える必要性を強く示した年でした。
25.医療――医療崩壊という言葉が社会に浸透
医療提供体制への負荷
感染者が急増すると、病床だけでなく、医師、看護師、検査技師、救急搬送、保健所などの機能にも負荷がかかります。
2020年は、感染症に対応できる医療資源には限界があることが社会全体で認識されました。
同時に、通常診療を維持しながら感染症患者にも対応するという、医療システム全体の難しさも明らかになりました。
26.医薬品――治療薬開発競争
COVID-19治療薬の探索
2020年には、既存薬の転用を含めて、COVID-19に対する治療薬の研究が世界中で進みました。
レムデシビルなどが注目され、抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗体医薬などさまざまなアプローチが研究されました。
同時に、ワクチン開発も異例の速度で進みました。
27.医薬品――ワクチン開発の高速化
「10年」から「1年未満」へ
通常、新しいワクチンの開発には長い時間がかかります。
しかし2020年には、基礎研究、臨床試験、規制当局による審査、製造体制の構築を同時並行で進めることによって、極めて短期間でワクチンが実用化されました。
これは製薬産業にとって歴史的な出来事でした。
2020年末にはmRNAワクチンの接種が英国などで始まり、翌2021年の世界的ワクチン接種へつながっていきました。
28.環境――気候変動への危機感
オーストラリア森林火災
2019年から2020年にかけて、オーストラリアでは大規模な森林火災が発生しました。
大量の森林が焼失し、多数の野生動物が被害を受けました。
さらに2020年には米国西部でも大規模な山火事が発生しました。
気候変動によって極端な高温、干ばつ、森林火災などのリスクが高まっていることが、社会的に強く意識されました。
29.社会運動――Black Lives Matter
ジョージ・フロイド氏の死亡
2020年5月、米国ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイド氏が警察官に拘束され、その後死亡しました。
その映像が広く拡散されたことで、米国だけでなく世界各地で抗議運動が広がりました。
Black Lives Matter運動は、人種差別、警察活動、社会的不平等などについて国際的な議論を引き起こしました。
30.国際社会――ベイルート港爆発
大規模爆発事故
2020年8月4日、レバノンの首都ベイルートの港で大規模な爆発が発生しました。
長期間、安全性が問題視される状態で保管されていた大量の硝酸アンモニウムが爆発し、200人以上が死亡、6,500人以上が負傷する大惨事となりました。
この事故は、危険物管理、行政責任、政治腐敗、都市インフラの老朽化など、複数の問題が重なった災害として注目されました。
31.産業――自動車産業の転換
電気自動車への流れ
2020年にはTeslaを中心とした電気自動車産業の成長が注目されました。
これは自動車産業の問題にとどまりません。
EV化は、
自動車+電池+半導体+ソフトウェア+通信+AI+電力インフラ
という新しい産業構造を形成します。
2020年は、自動車が「エンジンを中心とする機械産業」から「ソフトウェアと電池を含む総合技術産業」へ変化していく過程が明確になった年でもあります。
32.産業――ゲーム産業の成長
Nintendo Switchと「あつまれ どうぶつの森」
外出制限や在宅時間の増加によって、ゲーム産業も大きく注目されました。
特にNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』は、2020年の社会現象の一つとなりました。
ゲームは単なる娯楽ではなく、
コミュニケーション、創作、交流、オンラインサービス
を組み合わせたデジタル文化産業へと進化していました。
33.社会・文化――「オンライン化」が生活を再設計した
2020年には、
オンライン会議
オンライン授業
オンライン診療
オンライン飲み会
オンラインイベント
ネットショッピング
動画配信
フードデリバリー
などが急速に広がりました。
重要なのは、これらが単なる「代用品」ではなく、その後の社会に定着するサービスになったことです。
つまり2020年は、デジタル化が社会の中心に入り込んだ年だったといえます。
34.2020年を象徴するキーワード
| 分野 | 2020年を象徴する出来事 |
|---|---|
| 社会 | COVID-19、緊急事態宣言、3密 |
| 政治 | 安倍首相退陣、菅政権発足 |
| スポーツ | 東京五輪延期、無観客化 |
| 経済 | 世界同時不況、原油価格急落 |
| ビジネス | テレワーク、DX |
| 文化 | オンライン文化、鬼滅の刃 |
| 科学 | mRNA、はやぶさ2 |
| 技術 | AI、5G、宇宙技術 |
| 産業 | 半導体、EV、ゲーム |
| 芸能 | 動画配信、オンラインライブ |
| 国際社会 | 米中対立、香港 |
| 軍事 | 米・イラン緊張 |
| 外交 | Brexit、中東外交 |
| 皇室 | 令和皇室の本格化 |
| 教育 | 全国一斉休校、オンライン授業 |
| サービス | デリバリー、キャッシュレス |
| 福祉 | 高齢者施設の感染対策 |
| 医療 | 医療提供体制への負荷 |
| 医薬品 | mRNAワクチン |
| 環境 | 森林火災、気候変動 |
| 社会運動 | Black Lives Matter |
| 災害 | ベイルート港爆発 |
2020年は「何が変わった年」だったのか
2020年を一言で表現するなら、**「社会の前提条件が変わった年」**だったと考えることができます。
2019年までの社会では、「人が移動する」「人が集まる」「会社へ通勤する」「学校へ通う」「店に行って買う」という行動が、ほとんど疑問なく成立していました。
ところが2020年には、そのすべてに感染症という制約条件が加わりました。
その結果、
働く場所 → オフィスからネットワークへ
学ぶ場所 → 学校からオンラインへ
買い物 → 店舗からECへ
食事 → 店舗からテイクアウト・宅配へ
会議 → 会議室からオンライン会議へ
娯楽 → 劇場・スタジアムから配信へ
という変化が進みました。
さらに企業経営ではDXが重要になり、産業政策では半導体やサプライチェーンが重要になり、医薬品ではmRNA技術が注目され、外交・安全保障では米中対立が深まりました。
つまり、2020年の本当の意味は「コロナによって大変だった」ということだけではありません。
2020年は、感染症を引き金として、社会、経済、企業、科学技術、医療、教育、福祉、文化、国際政治のそれぞれがデジタル化・分散化・非接触化・安全保障化へ向かい始めた年だったのです。
そして、この変化の多くは2021年以降も続きました。
2020年を起点として考えると、2021年の半導体不足、ワクチン普及、デジタル庁、GIGAスクール、AUKUS、米中対立、2022年のウクライナ戦争、サプライチェーン再編、経済安全保障、生成AI時代へと続く流れが、一本の線として見えてきます。
したがって、2020年は「コロナの年」であると同時に、2020年代そのものの出発点になった年と位置づけることができます。(mckinsey.com)
